私が働くレストランのオーナーはこんな感じ2018/08/21

私が働くレストランのオーナーはこんな感じ

昨年の9月下旬から仕事を始めた時に、キッチン内に松葉杖をついた女性の姿、

彼女の目線は常に何かをチェックしている様子で調理されたものを置く棚の前に

いつも立っていました。ウエイトレスが自分の担当した料理を取って運んで行く

のですが、広いスペースではないので、ちょっとそこ邪魔じゃないのってな

印象で、私も自分の仕事をしながらチラチラとチェックしていました。


足が不自由なのかな〜くらいに思っていましたが、 その後、松葉杖をつかなく

なった姿を見て、あ〜、骨折していたんだとやっと気がついた次第でした。



 最近になってオーナーの姿を1週間くらい見ないので、きっとバケーション中

で、不在なんだと思っていました。


そして、先週再び見た時に、松葉杖姿でキッチン内にやって来たオーナーでした!


どうしたんですかと聞くと、外の敷地内の段差のある所で躓いて転んで骨折して

しまったと言ってから、ズボンの裾をあげて左膝の傷も私に見せてくれました。


前の時は聞いていませんが、モップがけした後は油断していると滑りやすく、

多分その時はキッチン内で滑ったのかもしれません。あのテイクアウトのイヴァ

も滑って骨折したことがあったらしく、確かに滑りやすい状態であり、バランス

感覚が良いと言っても、これは明日は我が身で気をつけなければなりません。


一年も経っていないのになんてことでしょうか!お大事に休んでくださいと

言いたいところですが、かなり気丈な人にも見えますので、案の定いつものよう

に、毎日レストランに松葉杖でやって来ます。


小言が若干多いようなオーナーに、長く居る人達は慣れてしまっているのか

誰も気にしていない様子です。



 フィリピンガールズが入った頃、その一人がマシンの方でお皿を洗い流して

いる様子に、水をじゃぶじゃぶ使わないように言うようにと、私に言ったり

したのですが....内心、皿洗いの仕事でそんなのありえないと思い、とりあえず

オーナーがいる時だけは、オーナーの目線に注意して加減するようにしています。


決していつも真剣にチェックしている様子ではないのですが、衝動的にパッパと

何か言わずには居られない性格???その割に根に持たないような???


レストランでは子供向けにクレヨンをサービスしているのですが、

使って持ち帰らなかったクレヨンもお皿と一緒に引き上げて捨ててしまいます。


ある日、オーナー自らゴミ箱の中へ手を突っ込んで何やら探し物をしていて...、

なんと手にした物を見るとクレヨンでした。

えっ?捨ててはいけないんですかと聞くと、”うん”と頷き、それを棚の上に

置いて何も言わず行ってしまいました。


じゃ〜、その後はと言うと、誰もが普通に捨てているじゃ〜ありませんか、

オーナーの、あの突然なさまは一体なんだったん???

って感じあっけなくその件は終わりましたが、確かにまだ使えるクレヨンを

ポンポン捨てるのは勿体無いといえば勿体無くもあります。

だからと言って、使いかけたクレヨンを再びサービスで出すわけいかないですね。



 オーダーストップの後にキッチンマネージャーの合図で掃除を始めるのですが、

いつものようにモップがけに入っている所に、やって来たオーナーに、まだ皆

んなが働いているから後にするように言うので、えっ、困ったな〜と思った瞬間

にたまたまやって来たキッチンマネージャーがそれを見ていて、顔をクシャッ

とさせて、気にしないで続けてって感じのサインを私に出しました。


う〜ん、そう言えば、あーだーこーだと言うオーナーをよそに、スタッフたち、

ハイハイって感じで、誰も気にもとめず本気で聞いている感じでありません。

確かに小言の多い人は、それが一つの癖であたりしますので、そう言う人への

対応は、言わせておけばそれで本人は気が済むって範疇なのかもしれません。


仕事も客室の様子のチェックや笑顔でお客さんの接待くらいにして後は

スタッフたちに完璧に任せておけばよいと思うのですが、キッチン内にやって

来ては、あれこれと気になる様子で、口も手も出てしまうタイプのオーナーで、

どちらかと言うといつも険しい顔つきの印象のオーナーです。


親から引き継いだ2代目のオーナーとは対照的におっとりした印象の調理人の

息子が三代目として引き継いで行く過程で何かの縁があって私が働いている

このイタリアンレストランは、


イタリアから移民してアメリカでのレストラン開業、個人経営では大きな方の

レストランに入ると思いますが、現在に至るまで、人の出入りも激しい業界で、

人間関係を含めて色んな苦労があったんではないでしょうか。

そんな環境と親を見て彼女自身も子供の頃からレストランを手伝いながら育った

んだと思いますので、彼女の人生はレストランが全てで2代目の経営者として

何かとシビアな目線を養ってきて現在に至っているんだと想像します。


この他にもちょっとしたとこに経営者性格パターンの一つを伺う事が出来ます。


例えば、トイレの流しのレバーがずーっと不調で、トイレくらい安いもんで、

修理しなくっても簡単に交換できるのに...なんで交換しないのかな〜と、

トイレに行くたびにストレスになっていて、ずーっとずーっと思っていました。

初めの頃はどっしようで、一番話し易いあのスティーブを呼んで直してもらった

くらいでした。さすが流れないことなんども繰り返した挙句ようやく最近になっ

て修理してくれましたが、これはきっと金銭の問題ではないんですね。

なんてケチ臭い!と言いたいところですが、使えるものは使い切る、物を無駄に

しない会社経営の方針なんだと思います。この件はそう言う問題ではないと

思いますが、スタッフも誰も言わなかったのか、多分オーナーも使ってるはず

で...時間を置いて再びタンクに水が溜まれば流れるので、様子見でただ単に

放置されていたんだと思います。

色んな性格の経営者のパターンがあると思いますが、基本的に経営者はこーで

なければならないのかもしれません、きっとね。


バックヤードにスタッフたちが小休憩するためのちょっとした空間があるので

すが、 そこには、みすぼらしいような朽ちかけたテーブルとラックを椅子がわ

りに置いただけで屋根もなく、夏場は一部のスタッフたちが、15分の休憩で

食事したり一服したりしています。基本、食事休憩はテイクアウトする店内に

あるテーブルを利用するので、オーナーとしては恐らく対象外の場所ってことに

なのかもしれません。


しかしです、私が経営者だったらですね、スタッフのために、客が出入りしない

場所でリラックスして小休憩できるようなスペースを工夫するのになといつも

思っています。


バックヤードから通じる室内の通りの一角に、ここはアメリカ?と思ってしまう

ような兎小屋のような空間が事務所のスペースになっていて、そこではパソコン

が一台置いてあったり、従業員が話していたり休憩したりと数人が所狭しで

集まったりしてちょっとした事務所になっていて、オーナーもよくそこでも

過ごしています。


やっぱり私だったら、リフォームしてもう少し過ごしやすい空間にするだろうな

と、思ってしまうのですが、オーナーにはそんな無駄な感覚は不必要で、

ある物を使って使い切る、余計なことは一切手掛けないという全く遊び感覚の

ない現実感だけで生きる現状維持タイプな人なんだろなと思っています。


どちらかと言うと、いつもは普通に表情が硬く険しい顔つきの印象なのですが、

声をかければ、転んだ時の膝の傷を私にさえ見せてくれるオーナーは、

意外にも可愛い一面もあるんではと思いました。

どちらかと言うと、特にスタッフを労う柔らかい物腰はない人で、ある意味では

きっと裏表のない分かりやすい人で、あ〜こう言う性格の人なんだろうな〜と、

腹も立たないし、不満も感じていません。こんなタイプのオーナーは日本でも、

ありがちで存在しますので、珍しいことでもありませんね。


こんな性格のオーナーがずーっとキッチン内に居たらと思うとかなり仕事は

やりずらいと思いますが、ずーっとではありませんのでストレスにもなりません。


しかし、 年に二回も骨折したオーナーですので、

スタッフを信じてスタッフに任せて、店内をウロウロするのを少し加減なさると

いいんではないかな〜と、密かに思っているスタッフの一人であります。