いい感じもヤな感じも一瞬で感知 ― 2016/11/21
26年も前の話なんですが、夏期のモザイククラスでのイタリア滞在中に、
週末になると近郊を旅行していて、シエナへ行った時のことでした。
イタリアの列車の遅れは有名な話で本当に予定を大幅に超えて到着しました。
もう夕方過ぎてしまい宿探しをするのですがどこも満室で焦ってしまいました。
ようやく空いているところを見つけて最上階へ案内されたのですが、部屋に入っ
た途端に霊感のないはずの私ですが、一瞬にしてとってもヤ〜な感じに見舞われ
てしまいました。しかし、唯一空いていたここを出たらもう他はないかもしれな
いと思いつつも一刻も早くここを出たい感じの方が勝ってキャンセルしてしまい
ました。再び必死になって探せど空いている所がありませんでした。
いよいよなければ野宿? それこそヤバいので、どこかのドアを叩いて事情を
話して泊めてもらおうと本気で思っていました。 やっぱりどこもどこも満室で、
諦めかけた時に一軒のホテルの一階が、ちょうどキャンセルになったらしく
空いているとのことでした!これはこれはも〜奇跡に近いものを感じました。
身の安全を確保したこの時の安堵感で、嬉しさのあまり無事を祝ってレストラン
でグラスワインを注文して飲んでしまいました。お酒は基本的に飲まないので
1%のアルコールにも反応してしまう私は真っ赤な顔して気分良くホテルへ
めでたしめでたしで戻っていったのでした。
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次の日になってカンポ広場へ行ってようやく分かったのですが、
この日はなんとシエナのパリオ祭の日で大勢の人々が集まっていたのでした。
携帯もパソコンもない時代で、シンプルな目的地メモ書きと地図とトーマスクッ
クの時刻表だけ持って単独行動していた私で、な〜んにも知らずに一人で
やってきたシエナでの忘れられない思い出となりました。
あのホテルの一室で感じたあの嫌な感じはなんだったのか今でもわかりませんが、
私の人生の中で唯一何かを感知した何かの虫の知らせだったのかもしれません。
こんな出来事の経験は後にも先にも一度だけでした。
ヤな感じのその逆のいい感じでは、そこのエリアに入った途端たちまち
心をくすぐられるような何か軽やかな面持ちになっていくのを感じます。
そんな感覚を金曜日に行った所で久しぶりに感じ取ることができました。
ロードアイランド州都のプロビデンスは、この辺では大きな街でビル群が
立ち並び 都会っぽく、ハイウェイから度々通り過ぎる時に眺めていただけで、
ようやく今回、RISD Museumを目指して初めて行ってみました。
家から30分くらい195Wを走行して出口2を出ると、いい感じの古い町並みの
佇みの昔と今が混じり合って調和のとれたいい雰囲気のキュートな印象がすぐに
目に入ってきました! それもそのはず、Rhode Island School of Designと
いう美術大学とブラウン大学が隣接してある学生街だったんですね。
○○年も前の御茶ノ水の学生街で過ごした私でしたので、この雰囲気がどこか
懐かしくその気分は自分の歳を忘れて、すーっと溶けこめる感じでした。
RISD Museumでは、テキスタイルから古代、彫刻、絵画とあらゆるジャンルの
ものを所蔵して展示されていました。唯一写真を撮りたくなった作品で日本美術
コレクションの中にあった吉田博のこの詩情感漂う木版画が私の目を惹きました。
美術館を出てから辺りを少し散策してみました。国際色豊かな学生たちが
行き交う路地にも活気を感じ気分上昇するような何か暖かくホッとするような
空気が流れているプロビデンスの街の様子に暫し浸ることが出来ました。
決して特別な事ではないのですが、ちょっと忘れていたこの感覚です。
やっぱり何か感性をくすぐられるような環境であったり、癒されるような環境で
あったりと、ちょっとだけ目先を変えた場所と空間に自分を持っていくように
心がけてみようかなと、なんだかそ〜改めて改めて思うこの頃であります。
そう言った意味では、ここは結構多方面に小さな発見があるかもしれません。

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